一般社団法人 全国建築CAD連盟【AACL】

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試験内容

准1級 (試験時間:4時間10分)(合否判断基準:4図面すべて完成の場合を合格とする)

課題として与えられた建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させる。

試験は実技試験で、下記の例に示す建築一般図を4面作成する。

 

<例>

・配置図、1階平面図、外構(S=1/200)  

・2階平面図(S=1/200)

・基準階平面図(S=1/200)  

・断面図(S=1/200)   など

※建物の種類によって課題図面の種類が異なる場合があるが、全体の図面密度は同程度である

(注)試験時間4時間10分の内訳は、CADシステムの設定で10分、課題図面の読み取り・入力計画で30分、作図を3時間30分とし、専用の「試験時間記録ツール」(時間管理ソフト)を使用し実施します。
出題例(142KB)

 

                                                                               

 

2級 (試験時間:5時間)(合否判断基準:250点満点中 190点〜200点を目安とする)

自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問う。試験は実技試験で、一定時間内に下記の例に示す建築一般図を2面作成する。

 

<例>
・設計者の描いたラフスケッチ(平面図)(S=1/100)をもとに平面詳細図(S=1/50)を完成させる
・平面図、断面図、屋根伏図、透視図(S=1/100)をもとに立面図(S=1/50)を完成させる  など

出題例(215KB)
解答画像例(103KB)

 

 

                                                                                            .

 

3級 (試験時間:2時間)(合否判断基準:200点満点中 140点〜150点を目安とする)

与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問う。
試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。なお問題数は4題である。

 

<例>
・階段平面図 (S=1/30)
・通り芯・寸法・通り芯記号 (S=1/100)
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)      など

出題例(195KB)

 

 

 

 

4級 (試験時間:2時間) (合否判断基準:200点満点中 130点〜140点を目安とする)

   ※4級は高校による団体受験のみ実施

与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問う。
試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。なお問題数は3題で、難易度は3級検定試験より低い。

 

<例>
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・通り芯・寸法・通り芯記号(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)      など

出題例(183KB)

 

     

 

 

 

 

 

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各級合格に求められる能力の基準

建築CAD検定試験の各級合格のために求められる能力の基準について違いをご説明します。

准1級は、『実社会で活躍するCAD技術者というレベルを超えた、他に比して秀でた知識と能力を持ち備えたCADのスペシャリスト』を指します。試験では、過去の一級建築士国家試験の設計製図課題に準拠した密度と分量の計画図面を、設計者の意図を読み取り指定時間内にCADシステムで全て完成させるために必要なあらゆる能力が求められます。

これは、建築図面やCADシステムの機能に深く精通していることはもちろんのこと、CAD操作のスピードとテクニックに関して極めて高い能力を持ち、さらに自らの経験や努力で知りえた図面の作図工程の全体を読み解く力など、これらすべてを持ち備えた「総合力」が要求されます。すなわち実社会で通常必要とされるレベルではなく、実務上直面するあらゆる場面においてでも的確かつ正確に対応しうる卓越した能力を持ち備えているかが試されます。

 

2級は、『実社会で求められる一般建築図を作図できるCAD技術者』を指します。能力としては、自らの建築知識をもとに設計者から与えられた「図面のラフスケッチ」から、CADシステムで実務で必要な一般建築図を描く能力があるかを判定します。試験問題で与えられる「参考図」がここでいう設計者のラフスケッチにあたります。

 

試験では、多数ある参考図の正確な読取りによる「平面詳細図」と「南立面図」の作成が課せられます。平面詳細図では建築図面への理解度とCAD操作についての高い知識と能力(正確性とスピード)を測り、南立面図では参考図にあるいくつかの2次元図面からその建物の形状を理解・想像する能力を試します。

 

3級・4級は、『実社会で求められるCADトレース技術者』を指します。能力としては、設計者から「詳細な指示」が与えられればCADシステムで建築設計図を描ける(トレースできる)人材であるかを判定します。3級・4級の試験問題の各課題図面で示される「参考図」がここでいう「設計者からの詳細な指示」に相当します。

 

3級・4級試験はCADの基礎的な能力、すなわち実社会で建築図面を描くにあたり最低限必要とされるコマンドの操作能力が要求されます。そして試験問題もその基本的な操作を理解していないと完成できないように作られています。試験で与えられた詳細な指示に対して、作図方法を瞬時に判断する能力と同時に、それを正確に描くための十分なCADの操作能力を持ち備えているかを試します。

 

 

1級について

建築CAD検定試験に 『なぜ1級がないか』 とよくご質問をいただきます。

これに対し 『1級の実施は時期尚早でできない』 とお答えしています。

しかし1級の能力については、下記のような設定をしています。

・複数のCADシステムを自由自在に操作できること

・異なるCAD間、他のジャンルのソフトとのデータ変換ができること

・ネットワーク技術の知識(サーバーやセキュリティなど)があること

・建築設計図に関する知識が十分にあること

・建築設計プロジェクトの中で設計図作成部門を統括できる能力があること

以上のように、建築設計能力は問わないが、CADおよびCAD周辺については十分な知識と操作能力を持っている人、すなわち『設計組織におけるCAD管理者(スーパーバイザー)の役をこなせる人』が、1級として相当であろうと捉えています。しかし、その試験方法や採点方法も環境が整っていないため実施の予定はいたしておりません。よって試験として実施する級としては准1級が最上級としての位置付けになります。