建築CAD検定試験の採点は機械ではなく人間の目で行います。
図面は通常の製図法によって表現されなければなりませんが、その共通のルールをしっかりと押さえれば、図面の描き方は人それぞれありその表現力が発揮されます。
なぜ、当検定試験では採点を人間の目で行うのか理由はそこにあります。機械で採点をするということは、答えをひとつに決めてしまうことになりかねません。それは、それぞれの受験者の個性や感性が抑えられ、授業そのものが試験のための勉強になってしまうおそれがあるからです。
「図面の正解の描き方は一つではない」ということについて、お考えいただくきっかけになればと思います。
具体的には受験者が入力した図面を印刷して行います。
印刷したものを解答例と重ね合わせてトレース台(下から照明で照らす器具)に載せ、その線の1本1本の位置・長さ・サイズ等が正確に描かれているかを厳しく見ていきます。この方法は緻密で複数の人間がチェックするため大変信頼がおけるものです。
チェックする項目は各級ごとに決められており公式ガイドブックでも公表しているのでご参考にしてください。
各チェック項目をトレース台で採点し配点します。それぞれのチェック項目ごとにチェックする箇所数が決まっており、全体の何%程度の正解かによって「ランク」分けし、配点していきます。
建築CAD検定試験の問題は、試験日・時間ごとにすべて別の問題を用意しています。当然問題ごとにチェックする箇所数が変わってくるため1箇所何点という配点ができません。よってこの「ランク方式」を採用しています。
採点は、問題に寸法の指示がある場合は、指定された位置・長さ・サイズ等が正確に描けていないと必ず減点対象になります。
これは、将来の建築・建設業を担う若い方々や現在実際で社会で活躍されている方々に対し、図面とはどういうものなのかをもう一度考えて欲しいと願うからです。
実社会では図面にミスは許されません。なぜならCADで表現される1本1本の線や数値が、大切な人の命と財産を守る建造物の安全性に重大な役割を持っているからです。
よって、当試験では仮に全体として描き上がっていても、その図面が正確でなければ一切得点の対象にならないという事をしっかりとご理解いただきたいと思います。
2級は250点満点中の195点。3級は200点満点中の150点、4級は200点満点中の135点がおよそのボーダーラインの目安とされます。しかし、試験問題の難易度などを勘案し若干上下することがあります。
なお、准1級試験にはボーダーラインはありません。准1級は全ての課題図面を完成させているか否かが合否の判断になるからです。一部分でも未完成の箇所があればそこで不合格となります。
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